1人じゃないの?
3時半ごろ「どうですか?」と聞き慣れた声。
彼が来てくれた。
「運が悪かったね、膵炎になるなんて。」
私は苦笑する。
鼻から管を通して胆汁を溜めておく袋を見て、
「綺麗な色をしているから大丈夫だよ。」と彼。
薬のこととかいろいろ話をした後、
「頑張って!また来るから。」
「また。」と手を振る私。
たぶん隣に居たのは研修医。
1人で来てくれたら良かったのに…
暑さと痛みとの闘い
高熱が出て暑い。
部屋の冷房も「強」にしアイスマクラをしていても体が冷えない。
だから汗も止まらない。
喉もカラカラ。
看護師さんに何回もお茶を持って来て貰う。
私の体には心電図、鼻、尿管、点滴の管が装着されているので身動きが取れない。
血管も細いので少し体を動かすだけで痛い。
点滴をしている間は余り体を動かせられないので本当に辛い。
1日何本点滴をするんだろう?
気が遠くなる。
相変わらず痛みは点滴をしても軽減しない。
ツイてるよ!
相変わらず熱が下がらない。
先生の指示でCTを撮りに行く。
一緒に着いて来てくれたのは消化器内科主治医M先生。
CTを撮り終えエレベーターに乗るとき、看護師さんが置いて来なければならないものがあったらしく、それを見たM先生。
「僕が置いて来るよ!」と戻って行った。
その一言で付き添いの看護師さん2名が大感激!
「あんな優しい先生、居ないよね〜」
「○○さん、ツイてるよ!」と言われた。
「熱が上がっても様子を見ようと言う先生が多いのに、CT撮ろうと言ってくれるのも優しいよね〜」っと。
病室に戻ると看護師さんが、
「○○さん、マツエクしてる?
付けてから、どのぐらい経つの?」と聞かれ、
私「2週間ぐらいだと思います。」
看「普通2週間ぐらいで取れるのに、それもツイてるよ!」と言われ、看護師さんは笑った。
私はツイてるらしい…
痛い
みぞおち周辺の痛みが酷くなる一方。
痛み止めの点滴を何種類か変えてもらうが効果が表れない。
相変わらず熱も下がらないし、今夜は眠れそうにない。
緊急入院
CTを撮るように指示される。
指定された場所へ行くと彼がいた。
そう私の片想いの彼は私の主治医。
心配そうな顔で「大丈夫?」と言ったから、
「大丈夫じゃない…」と答える私。
診断結果は胆嚢炎じゃなく、胆管炎だと判明。
彼に家に1度帰らせて欲しいと懇願するが、「ダメ!」と言われた。
なんにも用意してきてないんですけど。
あー、緊急入院なんて想定外。